はじめに
「長谷方人の講義メモ」を公開します。
2004年4月から、非常勤講師として明治大学文学部で "ターミナルケア"という科目の授業をすることになりました。12回連続の予定です。医療者としてのライセンスを持たない私が"ターミナルケア"を担当することになった話を、親しい医療者の何人かにしましたら"へぇ~"というのが大方の反応でした。
授業の構成は、下のシラバスの通りです。学生諸君と語り合いながら考える時間が持てたら、それは幸福でもあります。その評価は、学生諸君にもしてもらおうと思っています。
教材の整理にパワーポイントというソフトを使ってスライドを作りました。授業のためのメモです。これらのメモの中には、資料にした材料の版元からその使用許可を得なければならないものもありました。主に、写真です。授業での使用許可は得ましたがwebでの公開は不許可でした。このweb上では、それらは省かれています。生の資料は、各回の最後に上げた「参考図書」ですので、是非それを参照していただきたいと思います。
12回を通して、基本としたのは"私は医療者ではない"全国ホスピス・緩和ケア病棟連絡協議会の教育研修専門委員会が示した"ホスピス・緩和ケア教育カリキュラム(多職種用)の学習領域に準拠する"というものです。
ターミナルケアは、医療者の専売とは考えられません。古臭い言い方ですが、万民のテーマです。ホスピス・緩和ケアを生業にしている専門家が学ばなければならないと考えているものの中には、沢山の、誰でもが学んだらきっとよいと思えることがあります。そのような思いでスライドを作りました。ここから、何かを少しでも読み取って考えていただけたら幸いです。
明治大学文学部シラバス
科目名:ターミナルケア(前期) 担当者:長谷方人
授業の概要・目的
人は、それぞれ「個」として母体の力を借りて生まれてきます。その人の人生を生きて、その人の死を経験し「私の一生」を終えます。これを、かけがえのない人生と言ってきました。病期という言葉があります。病気の急性期・慢性期といった使い方をします。ターミナルは、末期です。死を目前にした時期を言います。人生を、たった一人で生きている人はいません。互いに関係を持ち、ときにケアし合いながら生きています。"死を目前にした人と伴に生きる"ことを考えます。
授業内容
- オリエンテーションとしてホスピス・緩和ケア病棟連絡協議会が考えるターミナルケアとケアに必要とされる学習領域の解説をします。そして"死に臨む人の表情"を考えます。
長谷講義ターミナルケア1.pdf
- 「モリー先生との火曜日」というビデオを視聴して、「末期」を生きることを考えます。
長谷講義ターミナルケア2.pdf
- 人の痛みについて考えます。人の痛みは「全人的な痛み」だと言われます。
長谷講義ターミナルケア3.pdf
- 身体の痛みや辛さは、どのように捉えられているのかを考えます。
長谷講義ターミナルケア4.pdf
- 激しい悲しみや怒りなどの感情の痛みは、どのように捉えられているのかを考えます。
長谷講義ターミナルケア5.pdf
- コミュニケーションについて考えます。アサ―ティブなコミュニケーションがターミナルケアで有用であることを解説します。
長谷講義ターミナルケア6.pdf
- 社会的な痛みについて考えます。社会は、とても広がりを持ったものですから、いくつかの切り口で考えてみます。
長谷講義ターミナルケア7.pdf
- スピリチュアルな痛みについて考えます。スピリチャリティーを感じたことがありますか?
長谷講義ターミナルケア8.pdf
- 「聖ヨハネホスピスにようこそ」というビデオを視聴して、ホスピスでの経験を整理してみます。
長谷講義ターミナルケア9.pdf
- 大切な人を失ったとき、残された人は未だ"その人のターミナル"から抜け出せないことがあります。死別と悲嘆について考えます。
長谷講義ターミナルケア10.pdf
- それぞれ自分の身に置き換えてみて"貴方に残された時間は長くありません"という「末期」を、貴方はどのように知りたいですか?「告知」賛成派と反対派で対論してみましょう。
- 人口減少と超高齢社会を目前にして、多様な価値観をそれぞれに尊重しながら営まれる生活の上で形作られるターミナルケアについて考えます。
履修の注意点
ホスピスの現場で、ホスピスコーディネーターとしてはたらいてきました。相談、面談、会話が実に大切です。学生諸君とも話し合うことを取り入れたいと考えています。
教科書
特にテキストは指定しません。目の前に広がっている現実と隠されていることが多いであろう本質を見つめていく作業全てが「教科書」と言えるかもしれません。
参考書
生命ある限り(産業図書、1997.新装版)、モリー先生との火曜日(NHK出版、1998)、たとえ病むとも(重兼芳子. 岩波現代文庫.2000)、ホスピスの「質」生の声(講談社.2001)、「生」を最後まで輝かせるホスピス・ハンドブック(講談社、2000)、その他その都度紹介します。
成績評価
最後に、レポートを一本書いて提出してください。字数の制限はありません。手書きでもコンピューターを利用した添付ファイルでも結構です。あわせて、講義についての感想や講義の場では発言しにくい質問などがあれば、講義への評価とあわせて送って下さい。URLも利用可能です。
その他
今年度初めて開講される科目です。ホスピス現場の実際から考えていきたいと思います。
講義資料
1回目 長谷講義ターミナルケア1.pdf
2回目 長谷講義ターミナルケア2.pdf
3回目 長谷講義ターミナルケア3.pdf
4回目 長谷講義ターミナルケア4.pdf
5回目 長谷講義ターミナルケア5.pdf
6回目 長谷講義ターミナルケア6.pdf
7回目 長谷講義ターミナルケア7.pdf
8回目 長谷講義ターミナルケア8.pdf
9回目 長谷講義ターミナルケア9.pdf
10回目 長谷講義ターミナルケア10.pdf